• 原子設定ファイルnonrelの更新

    NhCl6_potmap_400

     

    ヘキサクロリドニホニウム(III)酸イオン [NhIIICl6]3- (Oh対称) の DV-Xα分子軌道計算を行い、静電ポテンシャルマップをVESTAで描きました。

     

    DV-Xαプログラムでは F01 を作成後、MAKEF05 を実行すると、F05 が自動的に作成されます。

    F01 に書かれている内容は、原子番号と原子座標のみです。

    プログラム MAKEF05 は、C:\dvxa\data\nonrel というファイルを参照し、F01 に書かれている原子番号に該当する元素について「計算に使用する原子軌道、電子配置・エネルギー固有値」の初期値を F05 に書き出します。

     

    DV-Xα法プログラムSCATは使用できる原子軌道 [主量子数、方位量子数、磁気量子数] に制限がありませんし、原子数、電子数にも制限がありません。

     

    すなわち、nonrel に、対応する原子番号の原子の初期データが書かれてさえいれば、どんな元素でも MAKEF05 により F05 を作成することができ、SCAT計算を実行できます。

     

    原子設定ファイルnonrelは従来、原子番号1番の水素(H)から94番のプルトニウム(Pu)までしか、データが書かれていませんでした。

     

    今回、原子番号95番のアメリシウム(Am)以降、原子番号172番のウンセプトビウム(Usb)まで、nonrel に原子の初期データを追加して書き込みました。

     

    改定版 nonrel は、以下のURL で、ダウンロードできます。

    http://www.chem.ous.ac.jp/~gsakane/nonrel/nonrel

     

    作業報告については、以下の報告書にまとめてあります。

    岡山理科大学情報処理センター研究報告第35号(2014年)

     

    ダウンロードしていただいた nonrel を、お使いのDV-Xα計算環境

    C:\dvxa\data\nonrel

    に上書きしていただければ、ニホニウム(Nh)、モスコビウム(Mc)、テネシン(Ts)、オガネソン(Og)など、周期表のどの元素でもSCAT計算でお使いいただけます。

     

    重原子の電子状態計算は、本来相対論版DV-Xαプログラムで行う必要がありますが,今回は非相対論版DV-Xαプログラム用原子設定ファイルnonrelの改訂です。

     

    相対論版DV-Xαプログラム用原子設定ファイルの拡張は、今後、spd部会で作業していく予定にしております。

     

    ヘキサクロリドニホニウム(III)酸イオン [NhIIICl6]3- (Oh対称) の DV-Xα分子軌道計算は、以下のブログで紹介しております。

     

    坂根弦太のDV-Xα&VENUS日誌

    ヘキサクロリドニホニウム(III)酸イオンの電子状態計算



  • 「はじめての電子状態計算」を増刷予定

     「はじめての電子状態計算」が、三共出版の在庫から無くなってしばらくたちます。在庫のなくなる前には、時々問い合わせがある程度だったようなのですが、なくなってしまうと多くの方から、「増刷しないのか」と問合せを受けるようになりました。次の本の出版作業も進んでいますが、少なくとも来年度になるまでは出版されることはなさそうですので、現在、少量の増刷を考えています。増刷されましたら、またHPやブログでご連絡したいと思います。
    兵庫教育大学・小和田



  • DV-Xα計算の入力値となる分子・錯体の構造データのライブラリ化

    Auto-eduDV7

     

    ご存知の通り、DV-Xα法プログラムの入力(F01作成)に必要なデータは、原子番号と原子座標だけです(場合によっては電荷も入力します)。

    同じ形、同じ原子数、同じ点群に属する分子・錯体では、同じ対称軌道ファイルF25が利用できます。

    例えば、折れ線型AB2型分子(C2v対称)では、水(H2O)分子、硫化水素(H2S)分子、二酸化硫黄(SO2)分子、二酸化窒素(NO2)分子、塩化ゲルマニウム(GeCl2)分子、二フッ化ケイ素(SiF2)分子などは、すべて同じ対称軌道ファイル(F25)を使えます。

    違うのは、原子番号と原子座標だけです。

    分子軌道計算システムeduDVでは、上記例の場合は“c2v12”というプログラムにより、

    (1) AB2分子におけるA原子の原子番号

    (2) AB2分子におけるB原子の原子番号

    (3) AB2分子におけるA-B原子間距離(Å)

    (4) AB2分子におけるB-A-B原子間角度(°)

    の4つのデータを会話式で入力すれば、DV-Xα法の入力ファイルであるF01と対称軌道ファイルF25を用意してくれました。

    今回、「丸善の化学便覧 基礎編 改定5版」に構造データが掲載されている主な分子、錯体について、原子番号、原子間距離、原子間角度、酸化数(初期値)などの必要最低限のデータをライブラリ化して、教育用分子軌道計算システムeduDVの中に組み込みました(Auto-eduDV機能と呼んでいます)。

    Auto-eduDV機能は、秀丸エディタ上に構築されたDV-Xα法計算支援環境より呼び出して使うことができます。

    具体的な使用方法は以下の通りです。

    1.秀丸エディタを起動

    2.eduDVボタンをクリック

    3.”00. Automatic【データ自動入力】…”を選択、計算したい原子、分子、イオンを選ぶ

    4.VESTAボタンをクリック

    あとは三次元可視化システムVESTAの世界で、分子・錯体の形をBall-and-stickで確認し、Edit-Edit Data-Volumetric Data…で三次元可視化したい波動関数を等値表面図で描き、電子密度の等値表面を静電ポテンシャルの大小に応じて彩色できます(分子・錯体の中で、僅かに電子が多い場所(赤色)、僅かに電子が少ない場所(青色)が一目瞭然です)。

    また、DV-Xα法計算結果の分子軌道のエネルギー準位表(F08E)、マリケンポピュレーション解析結果(F08P)、有効電荷(I08)、有効共有結合電荷(BN8)なども秀丸エディタ画面に自動的に表示されています。

    このように、同じ点群(同じ対称軌道ファイルF25が使える)分子・錯体の構造データをライブラリ化し、秀丸エディタからメニュー形式でモデルを呼び出すことによって、いつでも、どこでも、誰でも、ライブラリに登録されている分子・錯体の電子状態を得られます。

    教育用に、単原子、単原子イオンもライブラリ登録しました。

    現在、教育用分子軌道計算システムeduDVに登録されているモデルの数は、

    1.単原子(ノンスピン版のみ)     94種類

    2.単原子イオン(ノンスピン版のみ) 248種類

    3.分子またはイオン(ノンスピン版) 137種類

    4.分子またはイオン(スピン版)   137種類

    -----------------------

    合 計  616種類

    です。

    新機能「Auto-eduDV」が追加された教育用分子軌道計算システムeduDVは、以下のURLからダウンロードできます。

    1.泉富士夫先生の粉末回折情報館より、DV-Xa.zip (2013/10/17; 835 KB)

    2.坂根弦太の楽しい電子状態計算より、eduDV.zip (2013/10/16; 10.4 MB)

    この二つの圧縮ファイルをダウンロード、解凍して、c:\dvxaの下にMacros, data, execなどのディレクトリ(フォルダ)を(中身のファイルごと)上書き保存すれば、アップデート作業は完了です。

    新規に、Windowsパソコン(Windows 8, 7, vista, XP)に「DV-Xα法計算支援環境」を構築する方法については、こちら(DV-Xα法計算支援環境を構築するためのリンク集)をご参照ください。

    また、坂根のblogに「Auto-eduDV」の紹介記事を掲載しています(メニューから原子、分子、イオンを選ぶだけで覗ける量子化学の世界)。



  • DV-Xα法計算支援環境(含・VESTA, eduDV)利用の手引きの改定

    64c3d47f

    DV-Xα分子軌道計算で、計算した波動関数、電子密度、静電ポテンシャルなどを三次元可視化することができるVESTA

    VESTAのVersionが2.xシリーズから3.xシリーズに改定されて、機能が大幅にアップ、そのVESTA Ver. 3.x シリーズでDV-Xα計算結果をどうやって三次元可視化するのか、その手順を文書にまとめて公開しました(PDF)。

    DV-Xα法計算支援環境利用の手引き(2013年9月21日改定)

    今回の改定では、以下の情報が最新の情報に書き改められています。

    ・VESTA Version 3.x 操作法

    ・DV-Xα法計算支援環境(秀丸エディタマクロ集)の最新版の操作法

    ・eduDVの最新版の情報(d2h24, d3d26の情報の追加)

    最近のWindows環境(Windows 8, 64-bit)でも、問題なくインストールでき、動作することを確認しています。

    ただし、Windows 7, 8などの64-bit環境において、秀丸エディタの64bit版(田楽DLLも64bit版)をインストールした場合、支援環境(秀丸エディタマクロ集)の動作で以下のような不具合がある場合があることを経験しています(何の問題もなく動作する場合もあることも経験しています)。

    ・eduDV動作時、C:\dvxa\calcの下に、新規ディレクトリがうまく生成できない、あるいは作成した新規ディレクトリにカレント(ワーキング)ディレクトリが移動できない。

    ・コマンドプロンプト画面が立ち上がる動作で、キーボードからの人間の入力を待ってくれずに、すぐにコマンドプロンプト画面が閉じてしまい、異常終了する。

    ※これらの現象は、原因をまだ突き止めていません。異常動作の現状もよく把握できていません。

    私(坂根)が使用している何台かのWindows 64 bit環境においては、64 bit環境であっても、通常の32 bit版の秀丸エディタをインストールしなおすことによって、問題は回避できました。

    現在、Microsoft Surface Pro (Windows 8 Pro, 64-bit OS, Intel Core i5-3317U CPU 1.70 GHz, 4 GB RAM)というタブレット端末で、秀丸エディタ通常版(32-bit版)、DV-Xα法計算支援環境(秀丸エディタマクロ集)VESTA 64-bit版DV-Xα法プログラム本体eduDVをインストールし、DV-Xα計算やVESTAでの波動関数の三次元可視化など、特に何の問題も発生していません。

    タブレット端末でDV-Xα法計算支援環境を使っていて思ったのですが、タイプカバー(タブレット端末に取り付けるとキーボードになるカバー)を外した状態では、eduDVの動作中、コマンドプロンプト画面で数値入力を求められたとき、なかなか思うように数値を入力することができません(なにしろ、キーボードがない状態です)。

    スクリーンキーボードを呼び出して入力できる可能性はあるのですが、数字の入力は易しくなく、実用的ではありません。

    そこでキーボードのないタブレット端末で、タッチスクリーンへのタップだけで、いろいろな分子・錯体の電子状態を簡単に計算してVESTAで波動関数を三次元可視化できる仕組みを工夫し、一昨日、その仕組みを作り上げることができました。有名どころの分子・錯体の構造データをデータベースとしてeduDVの中に持っていますので、原子番号、原子間距離、原子間角度などの入力は一切不要です(その代り、データベースに登録してある分子・錯体しか計算できません。ただし、データベースのデータを追加することは容易です)。

    寝転がりながら、Microsoft Surface Proのタッチスクリーンをタップして秀丸エディタを起動し、eduDVボタンをタップし、そこから、例えば酸素分子の電子状態をスピン版DV-Xα法で計算して、計算結果の波動関数をVESTAで三次元可視化して、スワイプして波動関数をクルクル回転させたり、ピンチアウトして波動関数をを拡大したり、まるで自分が原子・分子のサイズになって、波動関数を手で触っている感覚に陥ります。

    タブレットでどんな分子・錯体の波動関数を見ようかな、と考えてから、VESTAで波動関数を「触る」まで、ほんの数回のタップであっという間にできますので、ちょっと病みつきになってしまうぐらい楽しいです。

    この「DV-Xα法計算支援環境+eduDV+VESTAで楽しむタブレット端末での電子状態計算」については、近日開催予定のspd部会にて発表し、問題がなければ一般公開しようと思っております。

     



  • DV-Xα法計算支援環境で計算する巨大分子の電子状態

    β-エンドルフィンの静電ポテンシャルマップ
    Electrostatic Potential Map of β-endorphin

    DV-Xα法計算支援環境で、市販の書籍「パソコンで見る動く分子事典(Windows Vista 対応版)」(講談社ブルーバックス, 2007年)の添付DVD-ROMに収録されているMDL molファイルを読み込み、電子状態を計算、VESTAで静電ポテンシャルマップを三次元可視化してみました。

    手順は以下の通りです。

    1. DV-Xα法計算支援環境(秀丸エディタ)でMDL molファイルを開く
    2. VESTAを起動、xyzフォーマットで保存
    3. DV-Xα法計算支援環境(秀丸エディタ)でxyzファイルを開く
    4. xyz2f01を起動
    5. MAKEF05SCFSを起動
    6. DVSCATを起動
    7. makeC04Dを起動
    8. CONTRDを起動
    9. VESTAを起動して、静電ポテンシャルマップを三次元可視化する

    以下に、計算例を示します。

    1. コエンザイムQ10(Coenzyme Q10)
    原子数:153
    原子軌道数:279
    サンプル点数:418,000
    総電子数:476
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50838451.html

    2. カゼインホスホペプチド(casein phosphopeptide, CPP)
    原子数:412
    原子軌道数:848
    サンプル点数:138,000
    総電子数:1,658
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50838647.html

    3. マイトトキシン(maitotoxin)
    原子数:492
    原子軌道数:976
    サンプル点数:120,000
    総電子数:1,838
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50838826.html

    4. β-エンドルフィン(β-endorphin)
    原子数:495
    原子軌道数:986
    サンプル点数:119,000
    総電子数:1,856
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839701.html

    5. 没食子酸エピガロカテキン(Epigallocatechin gallate)
    原子数:51
    原子軌道数:117
    サンプル点数:1,014,800
    総電子数:238
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839708.html

    6. インドメタシン(indomethacin)
    原子数:41
    原子軌道数:94
    サンプル点数:1,245,600
    総電子数:186
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839770.html

    7. アデノシン三リン酸(Adenosine triphosphate)
    原子数:47
    原子軌道数:118
    サンプル点数:981,400
    総電子数:260
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839794.html

    8. テラバンシン(telavancin)
    原子数:227
    原子軌道数:478
    サンプル点数:246,300
    総電子数:928
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839857.html

    9. バンコマイシン(vancomycin)
    原子数:176
    原子軌道数:384
    サンプル点数:308,100
    総電子数:760
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839871.html

    10. ゲンタマイシン(gentamicin)
    原子数:76
    原子軌道数:142
    サンプル点数:820,800
    総電子数:260
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839985.html

    11. ミノサイクリン(minocycline)
    原子数:60
    原子軌道数:126
    サンプル点数:935,300
    総電子数:242
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50839988.html

    12. アジスロマイシン(azithromycin)
    原子数:124
    原子軌道数:228
    サンプル点数:511,300
    総電子数:410
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50840351.html

    13. α-アボパルシン(α-avoparcin)
    原子数:237
    原子軌道数:510
    サンプル点数:232,900
    総電子数:1,004
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50840358.html

    14. ウミホタルルシフェリン(cypridina luciferin)
    原子数:57
    原子軌道数:117
    サンプル点数:1,003,000
    総電子数:216
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50840541.html

    15. ルブレン(rubrene)
    原子数:70
    原子軌道数:154
    サンプル点数:771,300
    総電子数:280
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50840611.html

    16. オキシトシン(oxytocin)
    原子数:135
    原子軌道数:279
    サンプル点数:420,400
    総電子数:536
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50840684.html

    17. ディート(deet)
    原子数:31
    原子軌道数:59
    サンプル点数:1,950,000
    総電子数:104
    http://blog.livedoor.jp/tgs0001/archives/50867571.html

    計算は、Windows 7 のノートパソコン(ごく普通の家庭用)で行い、計算時間は十数分~数時間程度です。

    DV-Xα法計算支援環境の使い方(インストールおよび環境構築の方法)については、「DV-Xα法計算支援環境 利用の手引き」をご参照ください。



  • eduDVでエタン型A2B6(ねじれ形, D3d)分子の電子状態が計算できるようになりました。

    エタンの電子状態
    エタンの電子状態

    教育用分子軌道計算システムeduDVに、新シリーズ(d3d26, d3d26n, d3d26s)を追加しました。
    エタンなどのA2B6型D3d対称の分子が計算できるようになりました。

    昨年度追加したシリーズ(d2h24, d2h24n, d2h24s)では、エチレンなどのA2B4型D2h対称の分子が計算できるようになりました。

    昨年度のd2h24, 今年度のd3d26の追加により、教育用分子軌道計算システムeduDVでは、以下の炭素-炭素間の結合4種類の代表的な分子が計算できるようになりました。

    1.単結合 エタン(C2H6) d3d26シリーズ D3d対称

    2.共役1.5重結合 ベンゼン(C6H6) d6h66シリーズ D6h対称

    3.二重結合 エチレン(C2H4) d2h24シリーズ D2h対称

    4.三重結合 アセチレン(C2H2) d8h22シリーズ D∞h対称

    泉富士夫先生のウェブサイト「粉末回折情報館」で、d3d26に対応したDV-Xα法計算支援環境(秀丸エディタマクロ集)の改訂版DV-Xa.zipが公開されております。

    DV-Xα法計算支援環境の構築方法については、こちらをご参照ください。

    講義や講習会で、エタン、ベンゼン、エチレン、アセチレンなどのHOMOやLUMOをVESTAで三次元可視化するなどして、ご活用いただければ幸いです。



  • Freeの64bit版Fortranのセットアップ方法(4)

    最後です。

    インストールしたgfortranがOpenMPでマルチコアで動くかどうかチェックしてみます。

    まず、環境変数の設定が必要です。
    [システムのプロパティ]-[詳細設定]-[環境変数]から、新規に以下を設定します。

    変数名:OMP_NUM_THREADS

    4つCPUがある場合は、変数値を

    変数値:4

    と入力してください。

    次に、チェックするためのFortranソースとして、姫野ベンチを使います。以下のサイトから、Fortran90用のソースをダウンロードします。

    http://accc.riken.jp/2462.htm#itemid4504

    himenoBMTxp.f90 を用意したら、MingGWのコマンドプロンプトから、以下のようにコンパイルします。

    >gfortran -O3 -m64 -fopenmp himenoBMTxp.f90 -o himeno-omp

    これで、”himeno-omp.exe”が作成されます。この後に、実行ファイルからリロケート情報とシンボルテーブルを削除するSTRIPを実行してもかまいません。

    >strip himeno-omp.exe

    これにより、実行ファイルのサイズが減少します。

    次に、姫野ベンチを実行します。

    >himeno-omp

    下記の例では、Sサイズを選択します。タスクマネージャを起動して、CPUの駆動状態を確認しましょう。CPUのコア数最大で動いていることがわかると思います。

    この計算では、4個のCPUでマルチコアモードで動作させると、1個のCPUと比べて約1.4倍計算時間が速くなりました。

    以上で説明は終わります。LAPACKを使ったコンパイルの仕方や、LAPACK95、GOTOBLASを使用したい場合などは、その都度、コンパイルオプションを変更する必要があります。また機会がありましたら、このBlogにアップしたいと思います。



  • Freeの64bit版Fortranのセットアップ方法(3)

    LAPACKのインストール方法についてです。

    NetlibからダウンロードしたLAPACKは、元々LinuxなどのOS用に最適化されていますので、Windows OSで使用する場合には、少し変更が必要になります。

    まず、LAPACKを解凍しましょう。
    以下のようなディレクトリ構造になりますので、適当な場所に保存してください。

    lapack-3.4.2 — [DOCS]
    [INSTALL]
    [lapacke]
    [SRC]
    [TESTING]
    [BLAS]
    [CMAKE]

    ここでは、”lapack-3.4.2”のディレクトリ名を”lapack”に変更します。なお、変更しなくても動作はします。

    次に、lapackのルートディレクトリにmake.incファイルを作成します。[INSTALL]ディレクトにある”make.inc.gfortran”をlapackのルートディレクトリに移動し、ファイル名を”make.inc”に変えてください。

    この状態で、Mingwのコマンドプロンプトから、
    >mingw32-make all
    とすると LAPACKのコンパイルが開始されるのですが、Windows OSでは普通エラーが起こるはずです。実は、各ディレクトにあるmakefileの一部の書式をWindows用に変更しなければなりません。主な変更点は次の通りです。

    ① パイプを示すセミコロン”;”を”&”に置換します。
      だたし、すべて変えてしまうと、動かなくなります。
      例えば、
    cd INSTALL; $(MAKE) -> cd INSTALL& $(MAKE)
    と変更してください。一方で、
       slaruv.o: slaruv.f ; $(FORTRAN) $(NOOPT) -c $< -o $@
      の中央部にあるセミコロンはそのままにしてください。

    ② ディレクトリの”/”は”¥”にしないと動かない場合があります。

    以上の変更は様子を見ながら置換して下さい。すべて変えてしまうとおかしくなる場合があります。

    ③ エディタで、LAPACKのルートディレクトリにあるmakefileを以下のように変更して、blaslibのコンパイルを有効化します。
       #lib: lapacklib tmglib
        lib: blaslib variants lapacklib tmglib

    ④ mingw32-makeを実行するにあたり、cp.exe、mv.exeが必要です。前のブログでhead.exe、tail.exeを最新版に変更する方法をアップしましたが、同じファイルの中に、cp.exe、mv.exeが含まれていますので、これらの実行ファイルをパスの通ったディレクトリにコピーするか、上記の実行ファイルがあるディレクトリについて環境変数でパスを通してください。

    ⑤ makefile中で”mv”の実行ファイルを使用する際、ファイル名に”.exe”が抜けているために移動しないことがあります。適宜付けるようにすると、動くようになります。

    LAPACKのルートディレクトリに、以下の3つのファイルが作成されていたら完成です。

    librefblas.a
    liblapack.a
    libtmglib.a



  • Freeの64bit版Fortranのセットアップ方法(2)

    続きです。

    ダウンロードした”tdm64-gcc-4.7.1-3.exe”をダブルクリックして、インストールしてください。インストール方法は、表示される指示に従えば簡単だと思いますので、特に注意点はありません。デフォルトでは、C:\MinGW64にインストルールされます。

    インストールが完了しましたら、gcc-4.7.1-tdm64-1-openmp.zip、gcc-4.7.1-tdm64-1-fortran.zipを解凍して、それぞれc:\mingw64のディレクトリに解凍されたファイルをコピーしてください。これで、インストール完了です。

    使用方法は、[スタート]-[すべてのプログラム]-[MinGW64]にある”MinGW Command Prompt”ショートカットを使って、コマンドプロンプトを起動させてください。MinGWの環境変数を読み込んで起動します。

    テストとして、
    >gfortran -v
    と入力してリターンキーを押すと、下記のような表示が出ます。

    Using built-in specs.
    COLLECT_GCC=gfortran
    COLLECT_LTO_WRAPPER=c:/mingw64/bin/../libexec/gcc/x86_64-w64-mingw32/4.7.1/lto-w
    rapper.exe
    Target: x86_64-w64-mingw32
    Configured with: ../../src/gcc-4.7.1/configure –build=x86_64-w64-mingw32 –enab
    le-targets=all –enable-languages=c,c++,fortran,objc,obj-c++ –enable-libgomp —
    enable-lto –enable-libstdcxx-debug –enable-version-specific-runtime-libs –ena
    ble-fully-dynamic-string –with-gnu-ld –disable-werror –disable-nls –disable-
    win32-registry –prefix=/mingw64tdm –with-local-prefix=/mingw64tdm –with-pkgve
    rsion=tdm64-1 –with-bugurl=http://tdm-gcc.tdragon.net/bugs
    Thread model: win32
    gcc version 4.7.1 (tdm64-1)

    次に、LAPACKのインストール方法について説明します。



  • Freeの64bit版Fortranのセットアップ方法(1)

    個人で使用したい場合にお勧めするFreeの64bit版Fortranは”TDM-MinGW”です。

    ここにあります。

    http://tdm-gcc.tdragon.net/

    中央の[Dowinload TDM-GCC]をクリックしてください。今日現在、下記のものがダウンロードできます。

    tdm64-gcc-4.7.1-3 ・・・ Cコンパイラおよびライブラリが含まれる
    gcc-4.7.1-tdm64-1-openmp ・・・ OpenMPを使用する際に必要なライブラリー
    gcc-4.7.1-tdm64-1-fortran ・・・ Fortranコンパイラ(gfortran)とライブラリー

    このほかに、LAPACKライブラリーが必要な場合は、以下からダウンロードしてください。

    http://www.netlib.org/lapack/

    現在、LAPACK version 3.4.2(2012.9.25公開)がダウンロードできます。



  • Freeの64bit版Fortranのセットアップ方法

    現在、Watcom Fortranに変えて、Intel Fortranでのコンパイル化を進めていますが、個人では高価だと思いますので、GNUの64bit版FortranコンパイラーをWindows上で構築する方法を近日アップしたいと思います。ただし、現状のDVscatソースをそのままコンパイルできないのが難点なので、SCATのコンパイル方法については、もうしばらくお時間ください。



  • VESTAによる節面を含む波動関数にXYZ軸を書き加えた3D描画

    VESTAによる節面を含む波動関数にXYZ軸を書き加えた3D描画
    節面を含む波動関数にXYZ軸を描き加えた画像

    VESTA Ver. 3.x.xを使うと、DV-Xα分子軌道法で計算した結果の波動関数が、ここまで三次元可視化できます。

    ・分子の棒球表示

    ・波動関数の等値表面図

    ・波動関数の節の等値表面図

    ・XYZ軸および軸ラベル(x, y, z)

    これらをすべて重ね描きできるのです。

    XYZ軸表示について、原子軌道を描いたものが以下に置いてありますので、よろしければご参照ください。

    s軌道, p軌道, d軌道, f軌道

    g軌道

    h軌道

    i軌道



  • Linux版dvscat

    現状で、計算用PCに使われているであろう環境のうち、残っていたLinuxについても、dvscatが動作することを確認しました。元々、Linuxサーバ上で正常に動作していましたのでほとんど問題ないとは思っていましたが、全く同じ環境で再コンパイルするだけでうまく動作することがわかりました。たぶん操作マニュアルは、最初の設定などを除けばMacOS X版とLinux版はほとんど同じになると思います。



  • Mac版dvscat

    ずいぶん以前にMkLinux版のdvscatを試作したことがありましたが、次の「はじめての電子状態」のために、Mac版を整備することになりました。MacOSはFreeBSDベースですので、Linuxサーバで使用しているシステムがほぼそのまま利用できます。ですので、Mac版を整備する=Linux版を整備することになり、たぶん、ほぼ同じ構成ででどちらも使えるようになる予定です。(実行ファイルは異なりますが)

    ただし、以前から問題になっていたのは、windows版にあるdvplotに対応するプログラムを用意しないといけないことでした。ずいぶん前には、SonyのワークステーションNEWSのX11上で動作するdvplotがありました。(これが最初の画面表示プログラムでした。)また、グラフテックのプロッターコマンドをHP-GLに変換して、PageMakerで読み込んで使う、という方法を取ったこともありました。今回は同じようなやり方なのですが、出力をPostScriptファイルに変換して利用することにしました。その結果、MacOS標準のプレビューで、またLinuxだとGhostViewなどで普通に読むことができるようになります。

    この図は、切り抜くためにjpgに変換した後のものを表示したところのスクリーンショットですが、contrもdosも同じように問題なく表示することができます。

    すでに、EduDVも移植が終わっていますので、Macintosh上でもwindows版とほぼ同じように計算できるようになりました。唯一、Displatだけは移植の予定がありませんので、結晶のクラスター計算でdisplatが必要な方はwindows版をお使いください。(displatは、次の版ではdisplat2になり、GUIで操作できるようになります。)ただ、次のバージョンでは、すべてIntel Fortranを使用してコンパイルする予定ですので、バイナリ互換性があるはずですので、Linuxサーバで計算したデータをwindowsやMacにそのままコピーして、作図などを行うことも可能になると思います。



  • VESTAによる節面を含む波動関数の3D描画

    昨日、DV−Xα研究協会spd部会を開催いたしました。その中で、VESTAによる3D表示された波動関数に、節面を加えることはできないだろうか、というご意見があり、参加者全員で試行錯誤したところ、最終的に以下のような図を作成することができました。

    Nd 4f軌道の波動関数ムービー (クリックすると開きます。)

     

    このような図は、これまであまり見たことがありませんが、ボリュームレンダリングなどによる波動関数の表示よりも、かえって軌道の広がりが分かりやすい図になっているように思います。原子だけでなく、分子軌道でも同様に表示ができ、これを使って分子の反応性などが議論できるのではないかと期待されます。

    NH3の分子軌道の波動関数のムービー (クリックすると動画が開きます)

    描き方については、近々、HP,ブログあるいはMLなどで公開する予定です。



  • diplat.exe とOffice2010のコンフリクト

    これまでに、Office2010のインストール後、displatが動作しない件についてお問い合わせをいただいておりましたが、原因がOffice2010と共にインストールされるIME2010にあることがわかりました。

    この件につきましては、我々の方でも確認をいたしましたが、関西学院大の土村様から、昨年、すでにコメントをいただいておりました。ただ、このブログが試験運用であったため、コメントをいただいていることに気がついておりませんでした。(土村様、どうもありがとうございました。)また、そのコメントでは、OfficeによりインストールされるIMEを削除しなくても、ATOKなどに切り替えるだけで正常に動作するとの情報をいただきました。

    日本語入力を使用しないわけにはいかないと思いますが、少なくともwindows7のデフォルトのIMEのみを使用する、あるいはATOKやgoogle日本語入力を使用するだけで、コンフリクトは解消されますので、ご対応をよろしくお願いします。

     



  • dvscat2のwindows 64bit版での不具合

    windows7になって、デフォルトで64bit版をインストールしたPCで計算をされる方が増えていると思われます。DV-Xα法のプログラム類については、最新版(ver. 1.0.4)はwindows7での計算に対応していますが、バッチファイルで使用している外部コマンドの一部が非対応のため、dvscat2での計算が動かないことがあります。dvscat2を用いた計算でhead.exeやtail.exeのエラーで異常終了した場合には、以下の手順でプログラムの更新と、バッチファイルの修正を行ってください。

    ——
    1.新しいバージョンのhead.exeおよびtail.exeをダウンロード

    http://unxutils.sourceforge.net/ からunxupdate.zipをダウンロードし、解凍後、フォルダー内のhead.exeとtail.exeを¥dvxa¥execに上書きコピーしてください。

    ——
    2.dvscat2.batに2カ所の修正を加える
    dvscat2.batに以下の修正を行ってください。

    dvscat2.batの3-4行目

    %dvdir%\exec\head +lines 1 %dvdir%\dvfile > %dvdir%\dvf.bat
    %dvdir%\exec\head +lines 1 %dvdir%\dvfile

    の+lines 1を-n1に変更

    %dvdir%\exec\head -n1 %dvdir%\dvfile > %dvdir%\dvf.bat
    %dvdir%\exec\head -n1 %dvdir%\dvfile

     



  • Office2010とdisplatのコンフリクト

    Office2010を使われる方が多いと思われますが、計算に使用するPCにOffice2010がインストールされている場合に、diplat.exe, makelat.exe, Makeunit.exeがエラーで動作しない場合があります。これは、Office2010でインストールされるdll類のいずれかとdisplat.exe等をコンパイルしているFBASICがコンフリクトしているようです。残念ながら、FBASICは既に販売終了しておりバージョンアップも期待できません。現在、displatの新バージョンが開発中ですので、どうしても計算用PCでOffce2010をご利用になりたい方は、今しばらくお待ちください。



  • DV-Xα法のブログのテスト始めました

     これまで、いろいろな質問をメール等で受けてきましたが、今後は回答をブログを通して公開していくようにしてはどうかと考えています。まだ、正式ではありませんが、テストのため、このページを用意しました。

     いくつか、例になるような投稿をしてみて、ブログが有効かどうか判断したいと思います。